UL(Underwriters Laboratories) は、1894年に米国で設立された安全科学分野の国際的な第三者機関です。現在、UL Solutions は製品安全に関する 試験・検査・認証(Testing, Inspection & Certification:TIC) 分野において、世界をリードする組織の一つとなっています。
ULは110か国以上に顧客を有し、試験・認証サービスに加え、コンサルティングやソフトウェアを通じて、製品の品質向上、安全性の確保、そして国際市場への円滑な参入を支援しています。
主なUL認証の種類
UL Listed ― 完成品向け認証
UL Listed は、ULの安全規格に基づき試験され、基準を満たした 完成品または設備 に適用される認証です。
本認証は、製品が規定どおりに設置・使用された場合に安全であることを示します。UL Listedは単に「販売可能」であることを意味するだけでなく、該当するUL規格に基づく厳格な試験を経ていることを示すものです。
例:産業用制御盤、電気キャビネット、ポンプ設備、産業用機械 など
UL Recognized ― 部品・コンポーネント向け認証
UL Recognized は、より大きなシステムや製品に組み込まれる 部品やモジュール に適用される認証です。
これらの部品は一般消費者向けに直接販売されるものではなく、OEM(機器製造業者)が最終製品に組み込むことを目的としています。UL Recognized部品を使用することで、最終製品のUL Listed認証取得が容易になる場合がありますが、必須条件ではありません。
例:電動モーター、センサー、プリント基板(PCB)、電源ユニット、制御ボード
UL Classified ― 特定用途向け認証
UL Classified は、製品が 特定の用途、条件、または性能項目 に限定してULの評価を受けた場合に適用される認証です。
本認証は製品のすべての使用条件を網羅するものではなく、ULが定めた試験範囲内でのみ有効となります。
例:断熱材、消火器、耐火材料、特殊防火設備
UL認証マーク(UL Mark)の違い
2013年以前、ULは Legacy UL Mark を使用しており、ULロゴと基本的な識別情報のみが表示されていました。

出典:UL Solutions
2013年以降、ULはより高い透明性を確保するため、Enhanced UL Mark および Smart UL Mark を導入しました。
– Enhanced UL Mark:認証種別(Listed / Recognized / Classified)、適用国コード、ULファイル番号などの詳細情報を表示
– Smart UL Mark:QRコードを通じて UL Product iQ にリンクし、認証情報、技術資料、製品画像、動画などを確認可能
これらの新しいULマークは、偽造防止と認証情報の透明性向上に大きく貢献しています。
UL認証を取得するメリット
UL認証は、製品の安全性と品質を示す 国際的に信頼性の高いシンボル です。UL認証を取得することで、企業は以下のようなメリットを得ることができます。
✅ ブランドの信頼性・信用力の向上
✅ 国際的な安全基準への適合
✅ 米国・カナダ・欧州などの厳しい市場への参入が容易
✅ 技術的・法的リスクの低減と顧客信頼の向上
まとめ
UL Listed、UL Recognized、UL Classified の違いを正しく理解することで、製品の種類やターゲット市場に応じた最適な認証戦略を選択することができます。 完成品であっても部品であっても、UL認証の取得は安全性への取り組みを示すだけでなく、グローバル産業における重要な競争優位性となります。


